あなたが今一番失っているのは「時間」ではなく、「後から増額される内装費を見抜く視点」です。ネットで拾える情報の多くは居酒屋全般の坪単価や開業費の概論が中心で、立ち飲み屋の10坪前後、しかも居抜きかスケルトンかという現実の条件にはほとんど合っていません。その結果、相場より安く見える見積もりを選んだのに、給排水や換気の追加工事で一気に100万円単位で膨らむ、といった損失が起きています。
本記事では、立ち飲み屋の内装費用について、坪単価の「目安」ではなく、どの項目が金額を動かし、どこまで削れば開業後も売上で回収できるのかを、10坪・15坪・20坪のシナリオ別に具体化します。スケルトンと居抜きでの費用差、カウンターや設備工事の内訳、よくある増額パターンと見積もりチェックの勘所、内装会社の選び方まで一本の線で結び、融資相談にも使える現実的な予算線を引ける状態まで落とし込みます。「立ち飲みだから安いだろう」という感覚頼みの計画を今日で終わらせたい方は、このまま読み進めてください。
COLUMN
複数店舗内装コラム
立ち飲み屋の内装費用相場と内訳10坪で後悔しない予算術を徹底解説!失敗しない内装の秘訣
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立ち飲み屋の内装費用はどこまで見ておくべきか?まずは全体像をざっくり掴む
「とりあえず安く小さく始めたい」つもりが、見積もりを開いた瞬間に血の気が引く。立ち飲みの相談現場で何度も見てきた光景です。まずは、どこまでお金を見ておけば安全圏なのか、輪郭をはっきりさせていきます。
「立ち飲みだから安い」は本当か、数字で確かめる
イスがない分、座席造作は減りますが、その代わりにカウンターと床が勝負になります。特に10坪前後だと、「店全体がお客の視界に全部入る」ため、粗さが一気にバレます。
ざっくりしたイメージはこのくらいです。
| 項目 | 一般的な居酒屋 | 立ち飲み業態 |
|---|---|---|
| 客席造作のボリューム | テーブル・イス多数 | カウンター中心で少ない |
| その分かかる場所 | 造作・家具 | カウンター・床・壁の見せ方 |
| 単価の感覚 | 面積広く総額が重い | 面積は小さいが坪単価は上がりがち |
「安く仕上がりそうに見えるが、坪あたりではむしろ強めにかかることが多い」というのが現場感覚です。
初期費用の中で内装費が占める割合と、危険な予算配分パターン
独立開業でよくあるのは、手元資金をこのように配分してしまうケースです。
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物件取得(保証金・仲介手数料)を厚めに確保
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厨房機器は「いいものを入れたい」とグレードアップ
-
内装は「残りでなんとか」の発想
結果として、図面段階でこうなりがちです。
| 費用カテゴリ | 目安比率のイメージ | 危険サイン |
|---|---|---|
| 物件取得・家賃関連 | 30〜40% | 家賃に引っ張られ過ぎ |
| 内装工事・設備 | 30〜40% | 20%台に押し込んでいる |
| 厨房機器・備品 | 15〜25% | ハイスペック機器を詰め込み過ぎ |
| 運転資金 | 10〜20% | 3カ月分を切ると要注意 |
内装費を削り過ぎると、後から「通路が狭くてワンオペが回らない」「コンセント位置が悪くて機器を増やせない」といったやり直し工事が発生し、結局高くつきます。短期の支出ではなく、開業後2〜3年の手残りを増やすための投資と捉えた方が現実的です。
10坪前後の立ち飲み屋を想定した現実的な総予算イメージ
都内で10〜12坪クラスを想定すると、多くの相談で落ち着くラインは次のようなレンジです(居抜きかスケルトンかで大きく変わります)。
| 物件状態 | 総予算レンジの目安 | 内装・設備に回したいゾーン |
|---|---|---|
| スケルトン | 1,000〜1,500万円 | 500〜800万円前後 |
| 軽めの居抜き | 700〜1,200万円 | 300〜600万円前後 |
ここでいう「内装・設備」には、カウンター造作、床・壁・天井仕上げ、給排水・電気工事、換気・空調の見直しが含まれます。居抜きで安く抑えたつもりが、古い排水やダクトのやり直しで一気に100万円単位の増額になった例も少なくありません。
予算を組むときのコツは、最初から「安全に削れる枠」と「絶対に削らない枠」を決めておくことです。
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削りやすい枠
照明器具のグレード、仕上げ材の一部、装飾小物
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削ってはいけない枠
給排水・電気容量・換気経路、カウンター寸法と導線、段差解消や足元の安全性
内装の現場を見てきた立場から一つだけ付け加えると、10坪クラスの店は「1ミリの使い勝手」が売上とクレームの差になります。数字だけでなく、自分がワンオペで回している姿を具体的にイメージしながら、どこにいくら置くかを決めていくのが、後から泣かないための第一歩です。
坪単価だけ見て決めると危ない?立ち飲み屋の内装費用相場をリアルに読む
数字で判断したいタイミングほど、坪単価の「罠」にはまりやすくなります。ここでは、現場で実際に見てきた相場感と、その裏側の事情を整理していきます。
居酒屋全体の坪単価と、立ち飲み屋ならではの価格帯の違い
まず、よくある「居酒屋全般」の相場感です。あくまで目安ですが、内装工事は次のようなレンジに収まるケースが多いです。
| 業態 | 物件状態 | 坪あたり目安費用 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 一般的な居酒屋 | スケルトン | 50〜80万円 | 客席造作が多く、家具費もかさむ |
| 一般的な居酒屋 | 居抜き活用 | 20〜50万円 | 厨房とトイレをどこまで流用できるか |
| 立ち飲みメイン | スケルトン | 40〜70万円 | 客席は少ないがカウンター命 |
| 立ち飲みメイン | 居抜き活用 | 15〜40万円 | 既存カウンター・設備次第で大きく変動 |
一見すると、立ち飲みの方が安く見えます。しかし、実際の現場では次の要素で一気に上下します。
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カウンターの長さと高さ調整の回数
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立った姿勢での荷物置きや足元の段差処理
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ワンオペ前提の導線をどこまで作り込むか
たとえばカウンター天板を、「既製品メラミン」から「無垢材+オイル仕上げ」に変えるだけで、10坪クラスでも10〜30万円上がることがあります。見た目と客単価への影響を踏まえた投資かどうかを、数字で判断していくことが重要です。
都市部と地方で内装費用がズレる理由と、相場の「読み替え方」
同じ10坪でも、都内と地方都市では見積もりが2〜3割ズレることがあります。単純に「地方は安い」ではなく、内訳の違いを押さえておくと読み間違えにくくなります。
| 地域 | 下がりやすい項目 | 上がりやすい項目 |
|---|---|---|
| 都市部 | 材料の運搬費・仕入れ | 職人単価、夜間工事費、騒音対策費 |
| 地方 | 職人単価 | 現場までの交通費、特殊材料の取り寄せ費 |
相場を自分の計画に読み替える時は、次のステップで考えると精度が上がります。
- 想定エリアの「人件費」と「テナントの階数」をまず確認する
- 深夜工事や商業ビル内の制約があるかを不動産会社に聞く
- 相場記事の坪単価から、プラスマイナス2割の「振れ幅」を持って試算する
とくにビルインでガスやダクト工事に制限がある物件は、地方でも費用が跳ねがちです。「地方だから安いはず」と決めつけず、設備条件を一緒に見ていく視点が欠かせません。
「相場より安い見積もり」が出てきたときに、業界人が必ず確認する3つの項目
見積もりを並べて見ていると、1社だけ極端に安いケースが出てきます。ここで飛びつく前に、業界側の人間が必ずチェックしているポイントがあります。
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設備工事の範囲がどこまで入っているか
給排水の引き直し、電気容量の増設、換気ダクトの新設や洗浄が別途になっていないかを確認します。居抜きの場合、「既存配管流用」とだけ書いてあり、現調後に「腐食がひどかったので全部やり直しです」と50〜100万円膨らむケースは珍しくありません。
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夜間工事・搬入経路・産廃処分費が含まれているか
商業ビルや駅近の繁華街では、日中工事NGやエレベーター制限によって夜間作業が前提になることがあります。ここが抜けていると、着工直前に追加見積もりが届くパターンです。
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造作のグレードと細かい変更対応のルール
カウンター天板の材質、床仕上げの種類、照明器具のグレードなどが「おまかせ」になっていると、打ち合わせのたびに追加費用が積み上がります。立ち飲みはオープン後のお客さまの動きを見て「荷物置き増設」「足元段差の解消」などの要望が出やすい業態なので、軽微な追加工事の単価を事前に聞いておくと安心です。
一度だけ、相場よりかなり安い見積もりを提示された案件に立ち会ったことがあります。詳細を詰めていくと、厨房機器の搬入・接続費が全て「別途」となっており、結果的に他社とほぼ同額かそれ以上になりました。紙の上の合計金額だけでなく、「何が含まれていないのか」を読む習慣を持つことで、後から泣かない予算線が引けるようになります。
スケルトンか居抜きかでここまで違う立ち飲み屋の物件状態別の内装費用シミュレーション
同じ10坪でも、スケルトンか居抜きかでお金のかかり方はまったく変わります。ここを読み違えると、融資実行後に数百万円単位でブレることもあります。
まずはざっくりのイメージから整理します。
| 物件状態 | 初期費用の傾向 | 向いている人 |
|---|---|---|
| スケルトン | 総額は高くなりやすいが、思い通りに作れる | コンセプト優先、長期運営前提 |
| 居抜き | 初期費用は抑えやすいが、追加工事リスクあり | 早く安く始めたい、現状活用できる人 |
スケルトン物件で立ち飲み屋を作るときに膨らみやすい工事項目
スケルトンは「自由設計」が魅力ですが、数字が膨らみやすいポイントがはっきりあります。
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給排水の新設・移設
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電気容量アップと配線
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換気ダクトと空調の新設
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カウンター造作と床の仕上げ
特に水回りと電気は、図面上では小さな記号でも、現場では床をはつる、天井を開けるといった重い作業になります。10坪クラスでも、給排水の配管距離が少し伸びるだけで数十万円変わることは珍しくありません。
現場でよく見るのは、最初の見積もりに「電気の幹線引き込み」「分電盤の交換」が入っておらず、電力会社との調整段階で一気に増額するケースです。立ち飲みはワンオペ前提で機器点数が絞られていても、瞬間的な電力使用が集中するため、容量アップが必要になりがちです。
居抜き立ち飲み屋を引き継ぐときの費用メリットと、見落とされがちな罠
居抜きの強みは、「使える設備をそのまま使うことで、解体と新設の両方を削れる」ことです。とくに以下が残っていると、費用インパクトは大きくなります。
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厨房のグリストラップ
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給排水の立ち上がり位置
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ダクトと換気扇
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エアコンと照明レール
一方で、現場に入ってから「これは使えない」と判定されることも多くあります。
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油汚れと腐食で、ダクトがほぼ全交換
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老朽化した配管から水漏れ
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電気容量が古い基準のまま
このあたりは、内装会社の現地調査で「本当に再利用前提で考えていいか」をはっきり聞き出すことが重要です。安く見える造作譲渡金を払ったのに、設備をほぼやり直すことになれば、結果的にスケルトンより割高になることもあります。
元居酒屋・バーの居抜きを立ち飲み屋に変えるときの「解体」「再利用」の線引き
既存の居酒屋やバーを立ち飲みに転用する場合、どこまで壊してどこから活かすかの判断が、財布の中身を左右します。現場では次のような線引きをします。
再利用しやすいもの
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厨房区画の位置と間仕切り
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給排水のルート
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トイレの位置と配管
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エアコンの本体と配管ルート
解体したほうが結果的に安いことが多いもの
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高さが合わない固定席やボックス席
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動線を邪魔する間仕切り壁
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客層が違いすぎる内装テーマ(ゴテゴテの装飾など)
立ち飲みでは、カウンターの高さと奥行き、客の滞留スペース、荷物置きの位置が売上と回転率を左右します。元の店のカウンターを無理やり活かすと、客の目線が合わない、スタッフが動きづらいなど、オペレーションコストがじわじわ効いてきます。
以前、元バーのカウンターを「もったいないから」と残したケースでは、開業半年後に高さ調整と足元段差の解消工事を行い、結果として最初から作り直すより高くつきました。表面だけ見ると再利用はお得ですが、「オープン後のやり直しコスト」を含めて判断することが重要だと痛感した経験です。
物件を見学するときは、内装の雰囲気より先に、設備の寿命と動線との相性をチェック項目にしておくと、後から泣かない物件選びにつながります。
この内訳を知らないと損をする内装費用を分解して見える化する
同じ10坪でも、内訳の配分を間違えるだけで数百万円レベルで差が出ます。現場では「どこにお金をかけたか」で売上と回収スピードがはっきり変わります。ここでは、見積書の中身を一つひとつ分解して、オーナー目線の言葉に置き換えていきます。
床・壁・天井・カウンターにかかるお金と、グレード差が出るポイント
内装仕上げは、ざっくり言うと「踏む・もたれる・見られる」場所ほどお金をかける価値があります。
主な項目とグレード差の出やすいポイントは次の通りです。
| 部位 | 低コスト仕様の例 | 中〜高グレードの例 | 現場でのポイント |
|---|---|---|---|
| 床 | 長尺シートそのまま | 木目調フロアタイル | 立ちっぱなしなのでクッション性と防滑性能が重要 |
| 壁 | ビニールクロス一色 | 一部塗装・タイル貼り | 汚れやすい腰高部分だけ素材を変えるとコスパが良い |
| 天井 | 既存のまま塗装 | 新規ボード+塗装 | 塗装仕上げなら色で雰囲気を作りつつ費用を抑えやすい |
| カウンター | 既製品天板・メラミン | 集成材・無垢材仕上げ | 厚みと奥行きで材料費と存在感が大きく変わる |
特にカウンターは、材料と寸法の選び方で一気に金額が動きます。高さは立ち飲みなら一般的に950〜1050mm前後、奥行きは客側300mm・店側400mm程度が多いですが、50mm厚の無垢材にするか、30mm厚のメラミンにするかで材料費と塗装費が変わります。現場では「見せ場の1〜2カ所だけ良い材にして、その他は耐久性重視で抑える」やり方が結果的にバランスが良いです。
給排水・電気・換気・空調など設備工事で予算が跳ねる条件
設備工事は、オーナーから見えにくいのに費用を大きく押し上げる要因です。特に次の条件がそろうと、一気に予算が膨らみやすくなります。
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給排水
- 既存の配管位置と新しい厨房レイアウトが合わず、床を大きくはつる必要がある
- 古い配管が油脂で詰まり気味で、オープン前にやり替えが必要になる
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電気
- 想定していたより電気容量が小さく、幹線の引き直しや容量アップ工事が発生する
- 看板やスポットライトを増やした結果、分電盤の増設が必要になる
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換気・空調
- 既存ダクトが油汚れと腐食で再利用不可になり、ダクト新設と天井補修がセットで必要になる
- 上階が住居で、騒音対策や振動対策を求められ防振吊りなどが追加になる
設備工事は「現地を壊してみないと確定しない」部分があり、居抜き物件でも追加費用が出やすい領域です。打ち合わせでは、給排水・ダクト・電気容量については、最初からベストケースとワーストケースの2パターンの金額幅を確認しておくと、後から慌てずに済みます。
厨房機器・照明・看板にかけるお金の目安と、回収できるラインの考え方
売上に直結しやすいのが、厨房機器・照明・看板の3つです。目安のイメージを整理すると、判断しやすくなります。
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厨房機器
- 新品中心でそろえると、10坪クラスでも一気に予算を圧迫します
- 売れ筋メニューに直結する機器(フライヤー、焼き台、冷蔵庫)は信頼できるメーカーで、中古も視野に入れるとバランスが取りやすいです
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照明
- 立ち飲みは顔色が悪く見えると滞在時間が短くなります
- 調光できるダウンライト+ペンダントで、明るさをコントロールできるようにしておくとイベント時にも使い回せます
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看板
- 駅近やビルインの場合、袖看板やファサードの視認性次第で入店数が変わります
- ロゴ制作費とサイン工事費をセットで考え、家賃1〜2カ月分をかける価値があるかどうかで判断するケースが多いです
回収のラインは、「追加でかける内装費が、月の粗利をいくら押し上げるか」で考えるとシンプルです。例えば、照明と外観に30万円多く投資して、1人あたりの客単価が200円、1日の来店が20人増えるなら、数カ月で元が取れることもあります。逆に、客の目にほとんど触れないバックヤードの化粧にお金をかけても、財布に戻ってこない投資になりやすいです。
見積書でよく分からない項目名を、立ち飲みオーナーの言葉に翻訳する
見積書を前に手が止まりがちなのが、専門用語の羅列です。よく出る項目を、オーナー視点の言葉に翻訳しておきます。
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仮設工事
→工事中の養生シートや足場、廃材を置くスペースの準備費用。工事の「下準備」のお金です。
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解体・撤去工事
→要らない壁やカウンター、既存の設備を壊して運び出す費用。居抜きで差が出やすい部分です。
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造作工事
→カウンターや棚、腰壁などを一から作る大工工事。店の雰囲気を決める骨格の部分です。
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仕上げ工事
→床材を貼る、壁紙を貼る、塗装するなどの「見えるところ」をきれいにする工事です。
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設備工事(電気・給排水・空調)
→コンセントや照明の配線、水やお湯が出るようにする、エアコンや換気扇を動かすための裏側の工事です。
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諸経費
→現場管理、人件費の調整、運搬費など個別の項目にまとめにくいコスト。ここが高すぎないかは必ずチェックしたい部分です。
業界人の目線で見ると、「造作工事」と「仕上げ工事」に夢を詰め込みすぎて、「設備工事」と「諸経費」が見落とされがちです。見積書を受け取ったら、まずはこの4ブロックに色分けして眺めてみてください。どこにどれだけお金が集まっているかが一目で分かり、自分の計画とズレている部分が浮かび上がってきます。
10坪・15坪・20坪でどう変わる?立ち飲み屋の坪数別とコンセプト別の内装費用シナリオ
同じ「立ち飲みでも」、坪数とコンセプトでお金のかかり方はガラッと変わります。
融資の相談前に、ここでざっくりでも「自分はどのゾーンを狙うのか」を決めておくと、後から予算がブレにくくなります。
内装の現場でよくある失敗は、「なんとなく10坪くらいで安く」とだけ決めてスタートしてしまい、途中でコンセプトを盛り込みたくなって増額…というパターンです。最初にシナリオを描いておくことで、その手前でブレーキを踏めます。
10坪の立ち飲み屋を「最低限の設備」で立ち上げるときの費用レンジ
10坪前後は、独立開業で最も相談が多いサイズです。客席数が限られる分、「初期投資を抑えて早く回収する」発想が重要になります。
最低限の仕様としては、次のようなイメージです。
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カウンター中心+壁側の簡易テーブル
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床材は長尺シートや塗床など、掃除しやすく安価な仕上げ
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壁・天井は既存を活かしつつ、必要な部分だけ塗装
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厨房は一人オペを前提に、最低限の動線と機器
この前提で、物件状態別のレンジ感をまとめると次のようになります。
| 坪数 | 物件状態 | コンセプト | 内装費の目安レンジ(税別) | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 約10坪 | 居抜き活用多め | ミニマルな立ち飲み | 200万〜350万円 | 造作を極力活かし、カウンターと給排水の補修が中心 |
| 約10坪 | スケルトン | シンプルな立ち飲み | 350万〜500万円 | 床・壁・天井・設備を一通りつくるフル工事 |
ここで危ないのは、「居抜きだから150万くらいで…」と見込み過ぎるケースです。給排水のやり直しや電気容量アップが入ると、あっという間に50万〜100万円は動きます。
10坪で短期回収を狙うなら、上限を決めてからコンセプトを組む方が安全です。
15〜20坪で客単価アップを狙うネオ大衆系の内装にした場合のイメージ金額
15〜20坪になると、「ただ立って飲む」だけではもったいないサイズ感です。ネオ大衆系のように、写真映えと居心地の良さで客単価を引き上げる設計が現実的になります。
ネオ大衆系でよく求められる要素は、例えば次のようなものです。
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造作カウンター+ハイテーブル+壁面の棚でリズム感を出す
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間接照明やペンダントライトで雰囲気を演出
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タイルやモルタル調仕上げなど、素材感のある内装
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壁一面をボトル棚やアートにして「写真スポット」をつくる
このゾーンの費用感を整理すると、次の通りです。
| 坪数 | 物件状態 | コンセプト | 内装費の目安レンジ(税別) | ポイント |
|---|---|---|---|---|
| 15〜20坪 | 居抜き | ネオ大衆寄せ | 400万〜700万円 | 既存設備を活かしつつ、見せ場となる造作と照明に投資 |
| 15〜20坪 | スケルトン | ネオ大衆メイン | 700万〜1,000万円 | デザイン性の高い造作+設備工事を一から構築 |
現場感覚として、「写真映え」を狙うと一気に造作単価が上がることを頭に置いてください。
例えば、奥行きのある無垢カウンターやオーダーの棚を増やすだけで、材料費と手間賃がじわじわ積み上がります。
客単価アップを狙うなら、
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映えるゾーンは店内の2〜3カ所に絞る
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その他はメンテしやすい素材を選ぶ
このメリハリが、費用と回収のバランスを崩さないコツです。
「おしゃれだけど過剰投資」のラインを見極めるためのチェックリスト
実務でよく見るのが、内装にこだわり過ぎて「売上で回収できるライン」を超えてしまうパターンです。
オープン後半年で、動きづらいレイアウトや壊れやすい素材をやり直すことになれば、安く抑えたつもりが高くつきます。
過剰投資になりやすいポイントを、チェックリストにまとめます。
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家賃とのバランス
- 内装費が月額家賃の15〜20カ月分を超えていないか
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客単価とのバランス
- 想定客単価と回転数から逆算して、3〜5年で回収できる金額か
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造作の「量」
- 店内の8割を造作家具で埋めていないか
(可動式テーブルや既製品で代替できる部分がないか)
- 店内の8割を造作家具で埋めていないか
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メンテナンス性
- カウンター天板や床材が、アルコールや油に弱い素材になっていないか
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ワンオペ導線
- 一人営業を想定したとき、3歩以内で完結しない動きが多くないか
ひとつだけ、自分の経験から強く伝えたいのは、「今はお金がないから、とりあえず安く」で妥協し過ぎると、必ずどこかでツケが回ってくるということです。
カウンター高さの微調整や段差解消のような、小さく見える部分ほど後からのやり直しが効きづらく、結局高い買い物になります。
坪数とコンセプトを決めるときは、
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何年で初期投資を回収したいのか
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そのために月いくら残さないといけないのか
を先に数字でざっくり決めてから、「内装でどこまで攻めるか」を考えると、ブレない計画になります。
予算を削るところと絶対削ってはいけないところ立ち飲み屋の内装費用を賢く圧縮する技術
「できるだけ安く始めたい、でも後から追加工事で泣きたくない」。現場で何十件も立ち飲み業態に関わってきましたが、この2つを両立できたオーナーは、どこを削ってもいいか・どこは一円も削らないかを最初に決め切っています。ここを曖昧にした計画ほど、工事中盤で一気に予算が跳ね上がります。
ポイントは次の3つです。
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自分で手を出していい「見た目作業」と、プロ必須の「命綱工事」を分ける
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素材と照明で、安い造作を高く見せる
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居抜きの設備状態を冷静に査定し、造作譲渡金を数字でジャッジする
順番に整理していきます。
DIYでやってもいい作業と、プロに任せないと後悔する工事の境界線
開業前によく聞かれるのが「どこまで自分たちでやっていいか」です。体感として、費用を削るつもりのDIYで、逆に高くついているケースが3割ほどあります。境界線は次の表が目安です。
| 区分 | DIYしてよい作業 | プロ必須の作業 |
|---|---|---|
| 仕上げ | 壁の塗装、黒板塗装、棚板の取り付け | カウンター造作、本棚兼間仕切りの固定 |
| 設備 | チョークボード照明の取り付け補助 | 電気配線、分電盤増設、コンセント増設 |
| 厨房まわり | 調味料棚の組立、簡易フック取付 | 給排水の移設、グリストラップ、ガス工事 |
| 安全 | ポスター貼り、案内サイン | 避難経路表示、防火区画の変更 |
とくに立ち飲み業態では、カウンター高さ・奥行き・足元の段差解消が営業効率とクレーム数を直撃します。ここをDIYで妥協して、半年後に「やっぱり使いづらい」と造作をやり直すと、最初にプロに任せるより高額になります。
自分たちでやるべきなのは「やり直しが効く・お客様の安全に関わらない・隠蔽されない部分」です。逆に、壁や床の中に隠れてしまう工事と、消防や保健所のチェックに関わる工事は、迷わず専門業者に預けた方が最終的な財布は守れます。
素材選びと照明計画で「安く作って高く見せる」立ち飲み屋の作り方
同じ予算でも、素材と照明の切り方で雰囲気は別物になります。立ち飲みは客席ボリュームが少ない分、表に出る面積がコンパクトで、演出コスパを上げやすい業態です。
押さえておきたいコツは3つです。
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見せ場とその他を分ける
カウンター正面・バックバー・入口正面の「写真に写るところ」だけ素材を一段上げ、他はメラミン化粧板や長尺シートで抑えます。全面無垢材より、見せ場集中型の方が費用対効果は高くなりやすいです。
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床は清掃性優先で選ぶ
立ち飲みは床がよく汚れます。モルタル調長尺シートや滑りにくい塩ビタイルを選ぶと、材料費は中程度でも、清掃時間が短縮され、人件費の削減にもつながります。
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照明は「明るさ」ではなく「光の当て方」に投資する
ダウンライトをただ増やすと、味気ない明るさになります。カウンター上のペンダント、ボトル棚を舐めるような間接照明に少しお金をかけ、客の足元や天井は抑えめにすると、安い仕上げ材でも一段上に見えます。
よくある失敗は、高価なタイルを広範囲に貼ってしまい、照明が平板で素材感が死んでいるケースです。限られた予算なら、「素材7:照明3」ではなく「素材5:照明5」くらいの配分を意識すると、写真映えと現場感のバランスが取れます。
居抜き活用で本当に得をするための条件と、造作譲渡金の妥当性の考え方
居抜きはうまく使えば数百万円単位で差が出ますが、条件を読み違えるとスケルトンと同じか、それ以上の出費になることもあります。判断の軸として、次の3ポイントは必ずチェックしておきたいところです。
| チェック項目 | ここがNGだと起こりやすいこと |
|---|---|
| 給排水の位置と口径 | カウンター位置を変えたら配管総やり直しで大幅増額 |
| 換気・ダクト・フードの状態 | 油汚れと腐食で再利用不可、夜間ダクト工事で追加費用 |
| 電気容量と分電盤 | 厨房機器を増やしたら容量不足で幹線引き直し |
この3点が現行の営業計画に合っていて、かつ自分のコンセプトとレイアウトにハマる場合のみ、本当の意味で居抜きが「お得」になります。造作譲渡金を考えるときは、「そのまま使える年数×毎月の売上貢献」でざっくり回収年数をイメージすると冷静になれます。
例として、既存のカウンターとバックバーを5年使えると見込み、売上アップや工期短縮で月5万円以上のプラスが出そうなら、300万円程度の譲渡金でも投資対象になります。逆に、給排水やダクトのやり直しで200万円以上かかる見込みなのに、内装の大半を解体する前提なら、譲渡金はゼロスタートで交渉しないと合いません。
現場でよく目にするのは、「とりあえず安そうだから」と契約を急ぎ、設備の実測と内装会社の現調を後回しにした結果、工事着工前の見積りで100万円単位の増額に驚くパターンです。不動産会社、施工会社、オーナーの三者で、同じ図面と営業計画を前提に居抜きの価値を評価することが、予算を守る最大の防御策になります。
内装費用が一気に跳ね上がる「よくある失敗」と、その一歩手前で止めるためのサイン
見積もりまでは順調なのに、工事が始まった途端に見たくない金額が積み上がる。現場では、このパターンが本当に多いです。ここでは、内装費が跳ね上がる典型ケースと、「その一歩手前でブレーキを踏むポイント」を具体的に押さえていきます。
現場で頻発するトラブル事例:設備の老朽化・法令対応・近隣クレーム
内装費を狂わせるのは、デザインよりも設備と周辺環境です。代表的なトラブルをまとめると次の通りです。
| トラブルの種類 | 何が起きるか | 追加費用が出やすいポイント |
|---|---|---|
| 給排水の老朽化 | サビ・油詰まりで配管が再利用できない | 床はつり・配管新設・グリストラップやり直し |
| 換気ダクトの腐食 | 煙や臭いが抜けない・漏れる | ダクト新設・ファン容量アップ・天井補修 |
| 電気容量不足 | IH・食洗機を入れるとブレーカーが落ちる | 電気契約変更・幹線引き直し・分電盤交換 |
| 法令未対応 | 防火・避難・保健所基準に合わない | 表面仕上げ変更・シンク追加・間仕切り見直し |
| 近隣クレーム | 音・臭い・深夜作業へのクレーム | 防音補強・換気経路変更・工事時間帯の変更費 |
居抜き物件で「既存設備を活かせば安い」と考えがちですが、油だまりだらけのダクトや、基準を満たしていないシンク周りを前にすると、結果的にスケルトン並みの手当てが必要になるケースも珍しくありません。
要注意のサイン
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内覧時に「床下を開けずに決めた」
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管理会社から設備図面が出てこない
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前テナントの閉店理由が「設備トラブル」だった
どれか1つでも当てはまるなら、着工前に設備調査の費用を払ってでも現状をはっきりさせた方が、最終的には安く済むことが多いです。
「最初は順調だったのに途中で増額」した案件に共通する3つの抜け漏れ
増額案件を振り返ると、原因は派手なミスではなく地味な聞き漏れが積み重なっていることがほとんどです。共通点は次の3つです。
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営業許可・消防の前提条件を決める前にプランを固めた
- 立ち飲みメインか、腰掛けも置くかで必要な席数・通路幅が変わります。
- 消防の指摘で、後から不燃材への変更や避難経路の確保を迫られ、仕上げや壁位置のやり直しが発生しやすくなります。
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厨房機器リストが曖昧なまま見積もりを出した
- 「冷蔵庫は持ち込みか、リースか」「食洗機の有無」「IHかガスか」が途中で変わると、電気・ガス・給排水の配管ルートを引き直すことになり、設備工事が一気に増えます。
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近隣対策を軽く見ていた
- オープン後の音漏れや煙のクレームで、防音ドアの追加やダクト延長を行うケースがあります。
- 夜間工事禁止で工期が伸び、人工(にんく/職人の人件費)がかさむこともあります。
私が関わった現場でも、「とりあえず安く」という希望に合わせて最初に厨房機器を最低限で組んだ結果、半年後にメニュー拡張でIHコンロと食洗機を追加し、配線と給水をやり直すことになりました。トータルで見ると、最初にきちんと組んでおいた方が30〜40万円は抑えられたはずのケースです。
見積もりと工事内容をすり合わせるときに、オーナー側が必ず聞くべき質問集
増額を避けるいちばんの近道は、最初の打ち合わせでどこまで突っ込んで聞けるかです。確認すべき質問を整理します。
1 設備・インフラまわり
-
給排水・電気・換気は、現状をどこまで再利用して、どこからやり直す前提か
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現調後に追加が出やすい箇所と、その場合の金額レンジはどこか
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電気容量が足りなかった場合、どこに相談し、どれくらいの期間と費用が想定されるか
2 見積もりに含まれているもの/含まれていないもの
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夜間工事や騒音対策費は含まれているか
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厨房機器の搬入・設置費、ガス開栓・水道申請などの手続き費用はどう扱っているか
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看板工事や外部サイン、ゴミ置き場の造作は含まれているか
3 変更・追加が発生したときのルール
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プラン変更が発生した場合、どのタイミングまでなら金額を抑えられるか
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追加見積もりは口頭ではなく、必ず書面やメールで提示してもらえるか
-
工期が伸びた場合の費用負担はどう扱うか
これらを聞いたときの回答の具体度が、その会社の経験値を測る物差しになります。「やってみないと分からない」が多い場合は、同じ条件で別の会社にも見てもらい、増額リスクを比較した方が安心です。
内装費を守る鍵は、安い見積もり探しよりも「どこまでを最初からテーブルの上に出せるか」という情報戦にあります。開業前の今だからこそ、イヤな話も早めに聞き出して、後から泣かないラインを一緒に引いていきましょう。
立ち飲み屋オーナーが内装会社を選ぶときに見るべき「図面以外」のポイント
図面と見積書だけで会社を選ぶと、オープン直前に財布が一気に軽くなるケースが本当に多いです。小さな立ち飲みだからこそ、内装会社の「人となり」と「現場感覚」が売上を左右します。
ポイントは3つです。
-
その会社が小箱の酒場をどれだけ経験しているか
-
やり取りの中で、情報を隠さず出してくれるか
-
オープン後の微調整まで付き合う姿勢があるか
この3つを外さなければ、大きな失敗はかなり防げます。
立ち飲み・小規模居酒屋の実績がある会社と、そうでない会社の違い
同じ内装会社でも、やり慣れている業態によって「勘所」がまったく違います。
| 項目 | 立ち飲み・小箱実績が多い会社 | 実績が少ない会社 |
|---|---|---|
| カウンター計画 | 立ち高さ・奥行き・荷物置きまで具体提案 | 図面上の寸法だけで決めがち |
| 導線設計 | ワンオペ想定で動線を詰める | 厨房と客席を分けて考えがち |
| 居抜き対応 | 既存配管やダクトの「再利用可否」の見極めが速い | 解体してから問題が発覚しやすい |
| 収益視点 | 回転率と客単価から投資ラインを提案 | 仕上げグレード中心の話になりがち |
現場では、カウンターの5cmの差で「お客さんは楽しいのに、スタッフは毎日つらい店」になるかどうかが決まります。小さな箱を数多くやってきた会社ほど、この感覚が数字ではなく身体で染みついています。
LINEやメールのやり取りから分かる、その会社が「後出し」をしないかどうか
契約前のコミュニケーションは、その会社の透明性が一番よく出る部分です。ここで違和感があると、工事中の追加請求につながりやすくなります。
チェックしたいのは次のような点です。
-
写真や簡単な図面を送ったときに、「現調しないと何も言えません」だけで終わらないか
-
夜間工事や近隣対策、搬入経路の確認など、面倒な話題を最初から自分で出してくるか
-
質問への回答に、金額のレンジやリスクの可能性がセットで書かれているか
良い会社のメッセージには、次の3つが自然に含まれます。
-
想定される追加費用のパターン
-
そこを抑えるために、今決めておくべきこと
-
それでも読めない部分は「現場を見てから」と正直に線引き
ここが曖昧なまま「とりあえず安く出しておきます」というスタンスだと、着工後に給排水や電気容量の不足が見つかり、一気に予算が跳ね上がる危険があります。
オープン後の軽微な改修や追加工事まで見据えたパートナー選びの視点
小さな立ち飲みは、半年動かしてみて初めて「ここに荷物置きが欲しい」「照明を1段だけ落としたい」といった細かい改善点が見えてきます。そのときにサッと動いてくれる会社かどうかは、最初の打ち合わせである程度わかります。
オープン後まで見据えて確認したいポイントを整理すると、次のようになります。
| 確認ポイント | 見るべき質問例 |
|---|---|
| 軽微な改修の対応 | 開業後に棚を増やしたいなど、小さな工事もお願いできますか |
| 追加工事の費用感 | 最低発注金額や、出張費の考え方はどうなっていますか |
| 図面・仕様の共有 | 将来別の業者に頼む場合でも分かるように、図面や仕様書はデータで共有してもらえますか |
| アフターの連絡窓口 | 気になるところが出てきたとき、誰にどう連絡すればよいですか |
個人的な経験では、「最初から安くやります」とだけ言う会社より、「ここは今は安く仕上げて、半年後の売上を見てからグレードアップしましょう」と**時間軸で提案してくれる会社の方が、最終的な手残りは多くなりやすいです。
図面や見積もりの数字だけでは見えない、この「付き合い方」まで含めてパートナーを選ぶと、開業後もストレスの少ない店づくりにつながります。
この記事を読んだあとにできること自分の立ち飲み計画へどう落とし込むか
数字と現場事情がつながると、「怖い内装費」が一気に「コントロールできるコスト」に変わります。ここからは、今日から着手できる具体的な落とし込み方をまとめます。
あなたのケースに当てはめるための「ざっくり試算シート」の作り方
まずはエクセルかノートで構いませんので、次の4ブロックに分けてざっくり試算を作ってみてください。
-
物件条件
-
内装・設備
-
厨房機器・サイン
-
予備費
下記のようなシンプルな表で十分です。
| 項目 | 内容の例 | 想定金額メモ |
|---|---|---|
| 坪数・物件状態 | 10坪・駅近・元バーの居抜き | |
| 内装工事 | 床・壁・カウンター・電気配線 | 坪単価×坪数で仮置き |
| 設備工事 | 給排水・換気・エアコン・分電盤 | 追加が出やすい部分を多めに |
| 厨房機器・照明・看板 | 既存流用と新品の線引き | 中古活用もメモ |
| 予備費 | 内装・設備の合計の10〜15%目安 | 「想定外」用の財布 |
ポイントは、「想定外」を最初から行で用意することです。居抜きの配管やダクトのやり直し、カウンター寸法の微調整など、現場ではちょっとした変更で数十万円動きます。このブロックを取っておくだけで、後から慌てるリスクがかなり減ります。
次に、コンセプトに合わせて「どこにお金を寄せるか」を1行メモで決めておきます。
-
回転率重視 → カウンターの高さと導線に多め
-
単価高めネオ大衆系 → 照明と天板の素材に多め
-
ワンオペ前提 → 厨房のレイアウトと電気容量に多め
この優先順位メモが、後の見積もり比較のブレない軸になります。
不動産会社・金融機関・内装会社に同じ前提で相談するための準備
同じ計画でも、相手ごとに話す内容がバラバラだと、条件がかみ合わずにロスが出ます。次の3点セットを作っておくと、どこに相談しても話が早くなります。
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店のイメージが一目で伝わるA4一枚
-
上で作ったざっくり試算シート
-
想定のオープン時期と営業時間
おすすめは、A4一枚に以下をまとめることです。
-
想定坪数とエリア
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立ち飲みか、一部椅子ありか
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想定客単価と席数(立ち位置数)
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必要な設備の「必須」「あれば嬉しい」を分けたリスト
この紙をもとに、
-
不動産会社には「このレベルの給排水と電気容量が前提」と伝える
-
金融機関には「内装・設備と予備費のバランスが取れた計画」として見せる
-
内装会社には「ここは削っていいが、ここは削りたくない」優先順位を共有する
という使い方をします。現場の感覚として、最初の前提共有が丁寧な案件ほど、途中の増額トラブルが少ないと感じています。
プロの視点を借りて、立ち飲み屋の内装費用の不安を整理する次の一歩
ここまで整理できたら、プロにぶつけるべきタイミングです。ただし「とりあえず見積もりください」と入ると、相手も無難な提案しかできません。次の質問テンプレートを用意して相談してみてください。
-
この物件条件なら、どこで追加費用が出やすいですか
-
カウンター高さと導線の取り方で、工事費はどれくらい上下しますか
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居抜き部分で「絶対にやり直した方がいい設備」はどこですか
-
予備費は総額の何%くらい見ておくと安心ですか
一度、実際の打ち合わせでこれらを投げかけたところ、配管の腐食が事前に見つかり、着工前にスケジュールと予算を組み直せたケースがありました。あとから夜間工事や騒音対策で増額するより、よほどダメージが少なく済みます。
最後に、自分の計画が今どの段階にあるかをシンプルに棚卸してみてください。
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コンセプトと坪数イメージはある
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ざっくり試算シートを作った
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相談用A4一枚ができた
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プロにぶつける質問が整理できた
この4つがそろえば、あとは物件探しと見積もり打診に進むだけです。内装費を「怖いブラックボックス」のままにせず、「自分で主導権を握れるコスト」に変えて、一歩ずつ形にしていきましょう。
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